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いくら食べても減らない花を
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やさしくてつめたい気持ちになる
遠ざかる記憶の中ですら
ぼくは行き場所を失っているけれど
薄れゆく面影は
今もわらっているだろうか
あなたがわらっているのならそれでいい
うまく思い出せないことに苛立っても
それこそが世界を回しているから

せつなさの原点には忘れてしまった体温があって
ぼくは飲み干してしまったことを後悔する
no title
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ぼくは
ぼく自身が子どもだったこの場所で
永遠に子どもでいたかったけれど
それは叶わないらしい。

昔に戻りたいわけじゃない。
後悔は消えない。
あなたを忘れたいわけじゃない。

ただ
ここでだけは
永遠に子どものように
わらっていたかった。
瓶詰の魂
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雨音と規則正しいあなたの呼吸と
遠くで聞こえるサイレンと。
隣人の垂れ流すテレビの音は少し厄介で
漆黒の夜とはいえど
様々な気配に溢れている。
否応なしに掻き立てられる漠然とした不安。

せめて と もっと で繋がるぼくらの日々は
月の光に支配されているが
月の光はぼくの肩に
やさしく降り積もる。

ぼくがぼくであるということと
あなたの呼吸と
月の光は
何か密接に結び付いているような気がしてならないけど
空き缶に閉じ込められた意識の断片が
これ以上の思考を許さない。


身体の奥に生まれた甘い疼きを
ぼくはどのようにして支配すればいいのかわからない。
鼓膜の更に奥で刻まれる時計の音を
ぼくはどうしたら止められるのかわからない。

弾丸みたいに素早い言葉と
月の光みたいな柔肌が
そろそろぼくを
眠らせてくれるらしい。
目が覚めたら
どうか夢も終わっていますように。
負け犬でいい
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マイルドセブンの匂い
わたしの足音と同じ足音
家中に響き渡るギターの音
やさしい手のひら

玄関から減った靴
開かなくなった扉
使われなくなったお茶碗
「おかえり」の低い声




悲しみは悲しみのまま
寂しさは寂しさのまま

折り合いをつけて生きていくことの難しさよ



ぼくのなみだがわらう日まで。

ハロクライン
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切り取るべく一瞬さえも持たずして
否定的な言葉さえ並べていれば
生きていけると思っていたよ

ポケットに広がる闇の奥
蠢く感情は布越しにぼくを脅かすのに
何時かの夢の続きがまだ訪れない
果たせなかった約束も
行き場を失くして途方に暮れた

夜の帳もほどほどに
星を数えて眠りたい
鎌のように鋭い月は
きっと蜜柑なんかの味がする

どうかあなたがいつまでも
だいすきなうたをうたっていますように
どうかぼくがいつまでも
蜜柑なんかを食べながら
あなたの声がきけますように

何時かの夢の続きが見られなくても
おやすみがどうしたってこわくても
宇宙でいちばんやさしいうたを知っている



無敵のうたをしっている
午前3時40分
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裏切りという名の宇宙の下で
多義的に愛を謳うというのは
一体どういうことだろうか?

電気羊を必要としないぼくらの希望は
確実に終焉へと向かう足取りを
実感としてこの身に刻むことが出来るということだ

幸いにも
ぼくはまだぼくとして確立しているが
致死的な活字なんてものは
どこにも存在しない



だからぼくだけ消し去って
せめてぼくだけ消し去って

知りたい
死にたい
知りたいだけだよ




だからぼくは消え去って
半分になった月の浮かべた冷笑に耐えられなくなって
闇夜が呟くぼくの名前は
嘘と無知と虚勢に満ちていた


みんな愛想を尽かして
最期にはいなくなってしまうかもしれない

そして
それを恐いと思う半面
ぼくはどこかでそれを望んでいるのかもしれない


ぼくはだれにもやさしくできない
失いつづける
晴天の霹靂
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どこか遠くの
世界が一層深くなっているところで
踏切の音がきこえる
(続け様に3回)
そのあとを追うように
貨物列車が機械的な音を立てながら走り去った

あたりの家に明かりはなく
この部屋だけがぽっかりと闇夜に浮かんでいる

ぼくは網戸にした窓の横で
本を一冊読み終え
下腹部の鈍痛と向き合う
異形の世界、とぼくは口に出した
そのことによって下腹部は痛みを増したような気がしたが
言葉を確かめずにはいられなかった


一種のざわめきのようなもの
ぼくが眠れずに辟易していることは
真夜中の3時に犬を連れて歩き回る隣人(大きな声で犬に話し掛けている)よりは
幾分まともであるはずだ




眠れぬ夜の思考は続き
今日もぼくは
鈍痛と隣人に悩まされながら
いずれは眠りに付き
合図が為されるまで目覚めることはないだろう
孤独の恩恵よ
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朝になって空が白んでくると
落ち着かなくてざわついて
存在を否定されたような感覚に陥る

概念の分解と散開と崩壊

どうして
ここに
いるんだろう

言い知れぬ疎外感は質量を増すばかりで
あっけなくぼくを終わらせるんじゃないだろうか


太陽さえ失くなれば
ぼくの始まりだ


満ち欠けの果てに見出だした狂気は
あなたさえも欠いてしまうのに
そんな世界を
やっぱり生きなければならないみたいで
ぼくはもう、うんざりだ


だけど
それも悪くない
涙さえも笑う
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真昼の月の
あんまりにも白けているのに気が付いて
ほんの少し
ぼくは不安になる

朝焼けと夕焼けの違いさえ朧な空は
優しくもなんともないし
ぬけるような青色は
目に悪い

だけど
夜と朝の間だけは
ぼくを嘲笑いはしないんだ

少し辛そうに息をする君は微笑っているけれど
明け方5時のオレンジ色は
誰にも平等でなはくて
暇潰しのお伽話は行くあてを失った

ぼくが失くなっていく

錆び付いた空気の循環に苛立ちを覚えながら
137億年前に放たれた光なんかのことを考えると
ぼくが失くなっていくというのは
なんだかとても素敵なことのように思えた
夜は自己嫌悪で忙しい
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ただの ぼく で
ただの わたし


何者にもなれないことを痛感して
果てのない思考が堂々巡り


なにもない
だれかの夢
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夢の隙間にすとんと落ちてしまって
あの子は戻ってこられなくなった

硬化していく魂
(魂という言葉はなぜだか現実味がない)


振動 終焉 狂気 柔肌 白日 絶望 深淵 白昼夢 錯綜 忘却 閉塞 憧憬 淘汰 孤独 暗渠



ぼくをぼくたらしめる言葉たちは
ぼくをどこへも導かない
見えるすべての色が消えてく
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夕焼け空は
やさしさと切なさと狂気で構成されていて
部屋の白い壁紙は
白い嘘で形成されていて
ぼくはオレンジジュースで出来ている

あなたを見失ったこの世界は
相変わらずの白黒で
煮立った川の厭なにおいでむせ返る

オレンジジュースを飲み干したぼくは
幾分マシになった頭で
意義だの意味だの考えてみたが
証明なんてできなかった

記憶の掌握だなんて呟いてもみたけど
思念も思考も記憶も何も
支配なんてできなかった


なにもない


なにもないぼくが
血液の循環する音をきいて
妙に安心することなんかは
だれにも知られたくない
(この白黒の世界ではだれにも)



しられたくないよ
こんな世界になっちまって
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たとえばぼくの目の前が
どんなにか密度の濃い真っ暗闇だとしても
そこへ足を踏み出さずにはいられなくて
誰の声も届かなくなってしまう
だれのこえもおもいだせない


どんなに集中してみても
もう何も生み出せない


否定的なことばに
どうしてこうも惹かれるんだろうか
だれもぼくを受け入れなくていい
心は枯らしてしまえばいい
閉塞感がもたらす低音の心地良さといっしょに
そのうち消えてしまおうね
カナビスが揺れた瞬間に
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疲弊していく身体に救いなんてどこにもなくて
心はただ色褪せるのみ
申し訳程度の絶望なんて
腹の足しにもならんしよ


履き違えた常識の断片や
裏返しになったままの愛情なんかも
どうせどこにも辿り着かない

サイレンの音に不安を掻き立てられる真夜中3時
ぼくは半信半疑のやさしさを想い
重くなった瞼をこじ開ける





皆、眠ってしまった

車も通らないし
小さな明かりさえ見当たらない
ぼくも眠ろうか
わたしも眠ろうか
些細で頑なな夢の続きを
今日は見られるだろうか



おやすみ
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あなたの声が聴きたくなって
ぼくは目も耳も閉ざしてしまう
音の流れないヘッドフォンは
どこまでもどこまでも
果てのないはずの世界の深淵へと導くだけで
いつまで経っても癒えない傷の
絆創膏が朽ちていく

ぼくはもう何も聴きたくはなくなって
あなたの声さえも届かない
暗がりに堕ちた優しさの満ち満ちる唄声は
行き場をなくして彷徨うばかり

そうして
不確かな言葉を並べるにあたって
脳みその片隅にしまい込んだいくつもの振動を
あなたはいつまでも思い出せずにいるんだ

ああ
なんだか妙にいたたまれない心持ちになって
実のところ
ぼくはどこにでもいるただのぼくでしかないのに
本当のことをいうと
ぼくですらなかったりするんだと思い知った
チョコレイトを塗りたくれ
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ぼくのあいしたあの子の肌の色
まっしろな まっしろな まっしろで
まっさおな

間に合わないよいつだって
いつだって いつだって
使い古されてくたびれた言葉ばかりが
脳裏をよぎる

ぼくはいつだって役立たず
そしてぼくはいつだって
あの子をあいしていたかった

くだらない夜の闇が
くだらないぼくさえも呑み込んで
もう戻れないブラックホール
光なんて届かないしいらないんだよ

四次元の彼方で
硬く四角くなった指先さえ機能すれば
もう何もいらないのに

まっしろで まっしろで まっしろで
まっさおな
あなたの肌の色は
もうやさしさを失ってしまって
どうすることもできないぼくが呼ぶ
くだらない思考を繋げるシナプスが
信号を送り損ねただけなのにな

間隙に置き忘れた感情の切れ端は
もう目を覚まさないあなたのものだ
no title
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ぼくのあいしたあの子の
肌の色が忘れられないことや
世界の終わり(あるいは、ぼくの、世界の終わり)が
すぐそこまで迫っていることや
もうだれも返事をしてくれないことなんかは
きっとどうでもいいことで
明けない夜がもたらす真っ暗な朝なんかは
どうしたって避けられない
意識と無意識の境目で
線すら引けずにぼくは終わって行けばいい

寒さに凍える冬の道連れが
何もあなたでなければならない理由なんて
ぼくは造った覚えはない


ああ
返事をしなかったのはぼくの方だ
ぼくが目を覚ますことのない朝は
どうかあなたにとってやさしい1日の始まりでありますように
おやすみ
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季節外れの向日葵が嘲笑う丘で
奇妙な闇に囚われた
その瞬間
夜の雲の中で蠢く光は
深淵にあるはずの真実を叫んでいるに過ぎない
その真実とは
到底ぼくが知り得ない、
あのひとが燃え尽きた理由だとか
終わってしまったかわいらしい恋だとか
あの日の安らかな寝息だとか
そういった類のものだ


リップクリームを塗りたくったくちびると
痰の絡んだ頼り無い喉と
孤独と寂しさをわすれないことが
ぼくのあしたに繋がる
夜明け前
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たった一度の振動が
意味するところをぼくは知らない
死に物狂いのあいしてるの行方さえもわからなくて
ただ呆然と立ち尽くす

終焉を告げる鶏の叫びがこだまする夜明け前
細やかな瞬きに見惚れながら
そっと暗がりへと潜り込んだ

暗澹とした気持ちでその横顔を眺めるが
鈍色の空は未だ白けず
それでもぼくは眠り方すらわからない




早くしないと
呑まれてしまう
事実とゲシュタルト崩壊
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そのようにして
あの日ぼくらは
光を失った。


盲目的に淘汰される意味も意義も
なにひとつ理解できないまま
終わっていけばいい。
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イマサラでしかない嗜好の一致が
ただただ悲しい。
だけど他にもたくさん
すきなものは一致していたよ。


最近ニール・ヤングをよく聴くようになった。
といっても
いつだったか父に勧められたHarvestばかりだ。
OLD MANが
ただひたすら優しく切なく響く。
ラーメン食べたいもよく口ずさむようになったよ。
お父さん!
気が狂いそう


美しい言葉の羅列が頭を駆け巡り
醜い思考の果てに
ぼくは何ものにもなれない。

そんなぼくの愚かさを嘲るのなら
ぼくはあなたの歪さをあいしてあげる。
あなたを飲み干したあとで
どうしようもなくやさしい傷をつけてあげる。

だからあなたも ぼくが望んだその時は
躊躇うことなく撃ち抜いてほしい。

晴れた日の青空に響き渡るよう
清清しいくらいの銃声を。
教会近くのプールで傷跡を舐めた
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かなしくない
さみしくない
わらわない

鈍色の山が鳴いているから
君はわらってくれないか

ハツカネズミ怯えているから
君はうたってくれないか
空から虹が落ちてきて。


だめだ。
だめなんだよ。だめだ。

だって居るはずなんだもの。
居ないなんてきっと悪い嘘なんだもの。
居なくなるわけないじゃないか。
わたしたちを置いていなくなるわけが。

以前のように笑って見えたって
決して以前と同じわけじゃない。
平気なように見えたって
平気なわけがない。

今日さ
仕事中に横顔と背格好がお父さんに似た人を見たんだよ。
そしたらさ
仕事中なのに涙止まんなくなったりしてさ。

家の中では毎日お父さんの話してるよ。
お父さんだったらこう言うよ、とか
絶対こうするよ、とか。
お父さんの口調を真似てみたり行動を真似てみたり。
告げ口してみたり。

あーしがギターの練習してたら絶対

「おめえ、へったくそじゃなー!父さんに貸してみい!」

って言うに決まってるし

「そねぇにすぐ上手うなるわけねかろうが!根性無しじゃのー!」

って笑うに決まってるし。

毎日毎日泣いたってどうしようもなくって
暴れてみたってどうにもならなくて
色んなことをなんとかこなしてはみたけれど
ひとつひとつ、そのときの感情まで鮮明に思い出せてしまうのに
なにひとつ現実感がなくて
気配が溢れていて

だって
歌声だって写真の笑顔だって遺していった空気だって
なにもかもが優しいんだもの!

お父さんお父さんお父さん!
お父さんに会いたいよ!!

がんばるから
夢でもいいから会いにきてよ!

mement mori
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月の嘲笑が耳障りな夜更けに
呆気に取られたぼくが喚くから
何時かの親密さは彼方に消えてしまった。

月の嘲笑に耐え抜いた夜明け前
ゲシュタルト崩壊を止められないから
何時もの夢さえ見られない。

羊の夢を見たことがあるの?
アンドロイドなあなたにさえも
この先会えはしないから
ぼくは空虚な銃を撃つ。

ゼンマイ仕掛けのあなたでさえも
死ぬまで現れやしないから
精一杯で有りっ丈の嘘を吐く。
世界の終わりで罪を叫ぶぼくらの祈りは
悪魔でさえも聞き入れない。

優しい煙草とぼくの夢。
有りっ丈の嘘だけは
ぼくの銃でも撃ち抜けない。
シャーロット
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自分というものが
いくらか解り始めてから
希望の唄は聴かなくなった。
暮れゆく空は何色にも染まらない。
親密さを増す雲の流れが
ぼくの本質を見抜いたようだ。
もっと刺々しくなれたらいい。
周りも自分も傷つけて
そうして終わっていけばいい。
わすれてしまえよ
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止まらない咳と鉄の味。
あたたかな手の感触を思い出して
再び咳き込む。
もう戻れない。
世界の終わりで罪を叫ぶ僕らは
何もかもを知っているから。
憧憬
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記憶が遠退く
得も言われぬ憧憬
空は裂けてしまえばいい
狂いかけた旋律が不協和音で泣き叫ぶ日に
思考がこだまする

強い雨がぼくの頭上を通り過ぎ
遠ざかっていった。
止んだというよりは
遠ざかったという表現の方が合っていると思う。
雨足が遠退いた。
東(本当は北か南か西かよくわからない)の先ではまだ雨の音がする。

そしてふとぼくは
どこにも居場所がないかのような錯覚に陥る。
あるいはそれは事実なのかもしれない。
事実とは時々、真実よりも残酷なものなのだ。
心臓に鳥肌が立ち
身体の中がぐちゃぐちゃになる。

にわか雨のように記憶も遠退いていくのだろうか。
いつかは途絶えてしまうものなのだろうか。
理由などあるはずがない。
理由なんてないんだ。

おやすみ、とぼくは言う。
薄れゆく意識の中で
影のない男がおやすみ、と呟いた。
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記憶の掌握
優しさの消滅

ぼくの声は他人のそれのように余所余所しくて
冬の月に話しかけたみたいに冷たい。

愛してるという言葉の消化
疲弊していく身体が冷水を求める。


あいたいひとがいる。
no title
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狂気の共有
:∫
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嘘吐きの歌がきこえてくるならば
どんなにかいいだろうと思うんだ。
色を失った時間も
止まったままではいてくれない世界も
全部、嘘吐きの唄った歌だったらいいんだ。
埃をかぶったレコードや
聞き慣れた歌声や
日常に溢れていたあれやこれやが
すべて非日常となってしまった。

正論を押し付けるようなろくでもない大人でも
常識を弁えないしょうもない大人でもなかったんだ。

この世で起きているすべての事象の中で
自分にだけは起こり得ないことなんて何ひとつなくて


今はただ
しっかりしなくては、と
前を向いている振りをしている。

ほんとうは闇の中に溶けてしまいたくて
息をすることすら面倒で。
自分が如何に無力で平凡な存在なのかを思い知る。
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わたしは一体なにものであるのか。
なにものでもなければ
なにものにもなれない。
ただ単に黒い血が駆け巡るだけで
ただ心臓がそれらを循環させているだけだ。

酔っ払いの嘯いた絵空事は
実はただの強がりで
低血圧のにわとりが叫んだのは
実はただの終焉で
ぼくが描いた夢物語は
実はただの現実だった。

ふつうの世界が今日も始まってく。
◇◇◇
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絶望的なほどゆるやかなしあわせの中で
わたしは何ものにもなれないけれど。
●●●
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星が煌めくと月が翳り
月が輝くと星が瞬きを潜める。
そんな夜の繰り返し。

月なんて欠けてしまえ。
星なんて流れてしまえ。

わたしがわたしである所以は
そんなところにありはしない。
■■■
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見せかけのぼくの些細な刹那。
やさしいあなたのありったけの未来。
やり切れないぼくは眉間に皺を寄せて
後ろを眺めて立ち尽くす。

終焉を象った歪な月を
あなたはきれいと言う。
ぼくは
あなたの方がよっぽどきれいと息を呑む。

なんてことはない。

ぼくはあなたが欲しいだけ。
□□□
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寒さに凍える夜の道連れは
あなたでなければならない世界。
大気のゆらめきと星の瞬きの連動性を
敢えて説明したくないぼくの世界。

どんなに醜いぼくだとしても
お伽話のようにはうまくいかない日々だとしても
人肌の感情が降りしきる世界ならば
あなたを愛おしめる世界ならば

人肌の感情を忘れかけたぼくだとしても
あまりに人間らしいぼくだとしても

悲しいくらいに日だまりは溢れているから。
有り触れた温度をあなたに伝えたいぼくだから。
応答願ウ


止まらない血が一瞬わたしの言う事を聞いた。
どうやら一定期間を超えると
自分を保てなくなるらしい。
あしたもわたしでいるために
あなたはあなたでいるために
利害条件の一致と妄想の錯綜。
体温の交換とその対価。
ペテン師の存在意義と嘘吐きのうた。
無自覚のしあわせの中で
今日もおやすみ。
僕に麻酔を射ってくれ
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あなたが惜しんだ一分一秒を
ぼくが拾ってコップに詰めて
水に溶かされた感情を飲み干したあなたが恍惚とする。

人肌の感情がばらまかれ
細胞化したあなたの優しさが散らばってゆく。

背伸びの理由。
背伸びの角度。
背伸びの時間。

ありのままなんて見えるはずのない雨降りの夜に
ありのままなんて知らないぼくが君の体温を奪う。

笛吹の吐いた白い息と
唄うたいの紡いだありったけの詞と
真実味のない月の光が雑じる夜更けに
シナプスの伝え損ねた世界のほんとが錯綜した。

わるいのはだれ?
やさしくないのはだれ?

体温を失ったあなたが微笑むと
嘘吐きのうたが流れて雨が止む。
間隙の物語る振動の意味と
雨降りの夜がつくる水溜まりの意味と

ぼくが知っているのは世界のほんと。
偽りの世界が導いた君のほんと。
ぼくが好きな君のほんと。
誰よりもやさしい君のほんと。
施錠
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それともこれは
開く手段か。
!i!


雲が月を避けて浮かぶ夜。
月が空にあけた穴。
道化師はここにはいない。

夜に伴う痛みが生かすべき感情と
ぼくが生かすべきあなたへの想いが交差して

嘘笑いの先にある悲劇。
嘘泣きの奥にある喜劇。

等号が成り立ち得ないこの世界に
ぼくと君だけが生きているという事実。

ぼくはただただ悲しくて
笑顔の君を抱きしめる。

不協和音が響く空。
ぼくはただただ嬉しくて
赤眼の君を抱きしめる。

ぼくが好きなサティのこと。
ぼくが好きなドビュッシーのこと。
砂漠に倒れた王子さまのこと。
ゾウを呑んだウワバミのこと。

いとおしむぼくを
抱きしめてくれないか。

ホントの君を見つけた時から
世界には夕焼けしか見当たらなくて
ホントの僕を隠した時から
かさ張るひなたは捨ててしまって
嘘吐きのうた知った時から
漏れる鳴咽はやまなくて。

温かい腰知ったその夜
ぼくは忘れはしないから。
非情になりきれなかったモザイクの行方
ぼくは追ったりしないから。


体温惜しまぬ夜のこと
君も忘れないでくれないか。
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どうしてこんなに
すきなんだろう。
どうしてこんなに
すきになってしまったんだろう。
今はとてもおだやかな気持ちで
すきだといえるよ。



世界が終わったことにも気付かないくらい
わたしだけを見ていればいいんだ。
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それでも光は射さない。
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ぐるぐる
いろんな気持ちが渦巻いて
あなたさえも見えなくなって
やすらぐみどり?
きいろ
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きいろってすきだ。
わらった彼にはきいろが似合う。
オチル
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お ち て い く よ 。
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ボンヤリとしたあたたかい秋の日。
春と違うのはにおいと空だけ。
春と違わず睡魔に勝てないわたし。
∴∵∴

細い指を眺めてぼくは思う。
茶色く塗った爪を見てぼくは思う。
悲しみを悲しみと呼ばないぼくが言う。

ただ
あなたをいとおしみたいのだと。

嘘くさい空に覆われた
そんな世界に影響されやすいペテン師の言い訳。
あなたが見たぼくの刹那。

くちびるの温度を確かめた後で
あなたを抱きしめたいぼくが
色付く世界を望むだろうか。
嘘くさい空に届きそうなほど影を伸ばした鉄塔が
そんな展望を許すだろうか。

あなたのために
世界を憎んだぼくが
あなたのために
世界を愛せるだろうか。

大きな口を開けて待つ夜の淵で
笑った月の灯りの下で
冷たく暗い水底で
息を潜めるぼくが言う。

ただただ
あなたを愛していると。


そしてあなたが
ぼくに微笑む。
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雨降り
スイテイ
興ざめ

底辺にあるぼくの心が
浮上するのも時間の問題

またあしたあえるよ。
10時
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嘘くさい空
ああ
ぼくはここで死んでゆく
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むなしいだけさ。
ぼく自身だって
持ち上げられやしない。
途切れたいつかの夢
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電線に切り取られた空が
少しだけ寂しげな表情で
曖昧にわらってみせた。
春のくま
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たとえ
世界が壊れてしまっても
あなたがだいすきだよ。
ねこ


ひとはひとを否定する生き物だよ。
だからぼくは
ねこになりたい。
イデアの水槽
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求めたって
なにもかわらない。
水底
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ひとりで
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思考能力の低下に伴って
わたしのこころも薄くなる。

割れた空の隙間から
世界の終わりが迫るのは
暗号化…簡略化…
世界の単純化を図っているからに違いない。
ふいに音楽が途切れて
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ヘッドフォンをつけた時の閉塞感。
音の表すものとは。
音がわたしにもたらす意義とは。
閉鎖された空間で響くおんがくが
深く脳内に入り込んで
わたしという存在を揺るがす。
りんごが流した真っ赤な血
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あなたの赤い血が

わたしの体内にも

流れていればいいのに。

午前3時のなきごえ
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おいていかないで。
汚されたい
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二人だけでは生きていけない

だからわたしは

世界を憎む

射精
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二人だけの国で

失ってばかりねって

...
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白昼夢

...
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ねぇ繋いでいようぜ

ハツカネズミ


感情の分裂

自己の細分化

ふむ。

救いの雨を待つ愚かな人間さ


世界は現実味を帯びてはおらず
わたしもまた
夢の中の住人であるかのようだった。

空を覆う灰色の雲は
嘘っぽい絵の具をぶちまけたようだったし
電車のアナウンスもどこか異世界で
―それもわたしがここに存在することを認識していないかのような―
無機質な声で発車を告げる。

きょうも雨だ。

誰も知らない世界の真ん中で
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今日もわたしは
生きる、
生きる。
ダウナーガール
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空が剥がれ落ちたら

その下で眠ろう

月が歪さを欠いたら

世界の終わりも もうすぐだ
僕のせいで死んじゃえばいいよ
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発狂しそうになって叫んでる


喉が痛くて
このまま声が出なくなってしまったら
少しは楽になるのかなあ。
不器用さに拍車がかかって
苦しみが増すだけなのかなあ。
くるしい。
痛みなどなくて
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疑わしきはぼくのゆめ。
想像上の生である。

残された破片がぼくを貫いて
好き勝手に飛び交う安心感を食い荒らしたよ。

そうだ。

水銀のような月が零れたら
君のところへ行けばいい。

記憶の深海で熱を帯びた君の腕が
ぼくを抱きしめてくれるかもしれないから。

感情が噴き出したぼくの傷口が
喜びを伴うかもしれないから。

君の
優しさに満ち溢れた笑顔を
思い出せるかもしれないから。



世界を憎まずに済む方法。
生ゴミ持ち歩いてんじゃねぇ
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訪れた不信感と
それを掻き消す程の愛しさと
不甲斐無いわたしと。

居心地の悪さを隠せずに
舌打ちをしたあの夜が
悪夢と化して
再びわたしを貶める。
ぼくはたいくつ
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ぼくは

退屈することを

やめられない

さけぶよ


さみしい
さみしい
さみしい

気が狂いそうだ
腐ってしまいそうで
漏れるのは嗚咽ばかりだ



唇はもう乾いてしまったよ

ガラスの墓標
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汚れた血の残骸
ロリータは機械だった


ぼくは何かを失った。
それは恐らく、ぼくであるべき何か、だったはずだ。
ぼくは掴み損ねたのだ。

そのようにして
通り一遍の事実(であると認識しているもの)を推し測ったあとで
月のように冷たく
星のようにあたたかで
・・・まぁ、そんな感じの何かを手に入れる
夢を見た。
クロニクル
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わたしは今まで
どれだけ多くの絶望と出会い
手を繋いで来たのだろう。
わたしを成り立たせているものは
希望なんて安っぽいものではなく
絶望、闇と微かな光なのだ。

ときに
わたしはいったい
何者であるのだ?
何物で、あるのだ?
アイソレーション


hello my name is monster !!
サッドマシーン


跪くさ
水色の風


こわかった、と言って泣いたあなたは
ほんとうだと思うから。
だいじょうぶ。
朱の空


あたまがおかしくなりそうだ。
気が狂いそうだ。
きのした


木下理樹が彷徨い、唄う絶望は
わたしの生きる希望となる。
彼のもがく闇が好きだ。
異常な程の性への執着。
(いや、本来そうあるべきものかもしれない)
彼の欲する愛情とは。

わたしの生きる闇とは。

近視


焦っている。
鬱々とした日々を送っている。
周りの目を気にしている。
進むべき道がわからない。

わたしは近視なのだ。
ぐちゃぐちゃだ。


光が見当たらない。
眠ることすら儘ならなくて
ざりざりとした感覚の中で
ひたすら耽る。
貪り
どうしようもない空虚感が漂う。
だらしなく笑うぼくの眼は
何者も捉えることなく役目を終える。
稚拙な思考だ



眠る余裕すら生まれない。
ぞぞぞ。

堕ちてくる足音に落胆して
生きる気力を失い
感傷的な夜に
誰もが皆自分を隠す。

何かがおかしい。

お腹を空かせたぼくは
狂った振りをして
真夜中のお喋りに充てられて
世界の淵へと歩み寄る。

月明かりが背中を伝い
ぞわりとした感覚が走った。

頬の赤みを確認して
血の巡りを確信する。






どうやら生きているようだ。。