どこか遠くの
世界が一層深くなっているところで
踏切の音がきこえる
(続け様に3回)
そのあとを追うように
貨物列車が機械的な音を立てながら走り去った
あたりの家に明かりはなく
この部屋だけがぽっかりと闇夜に浮かんでいる
ぼくは網戸にした窓の横で
本を一冊読み終え
下腹部の鈍痛と向き合う
異形の世界、とぼくは口に出した
そのことによって下腹部は痛みを増したような気がしたが
言葉を確かめずにはいられなかった
一種のざわめきのようなもの
ぼくが眠れずに辟易していることは
真夜中の3時に犬を連れて歩き回る隣人(大きな声で犬に話し掛けている)よりは
幾分まともであるはずだ
眠れぬ夜の思考は続き
今日もぼくは
鈍痛と隣人に悩まされながら
いずれは眠りに付き
合図が為されるまで目覚めることはないだろう